古い小説
放課後の部室。
「でもこれからどうすりゃいいんだろうな?」
淳司が呟くと総司も同調する。
「僕達以外に、この矛盾を体験しているって人、いるのかね?」
「いたとしても、どうやって確認するのよ」
亜季の問いに四人は沈黙する。
「まさか、『昨日は二月十三日ですか?』なんて聞くわけ?」
「……史記先輩はどうなんだろう?」
翔子の呟きにジャックは頷く。
「そうだネ。ブラックさんにも聞いてみた方がいいネ」
窓から吹き付ける風は冬のものなのだが少々暖かい。
昨日の通りならそろそろ雨が降り出す時間。
そして、数分もすれば黒霧史記が部室にやってくる。
「……まずは、誰かが勘違いしたとみせかけて、日付の確認をした方がいいわね」
亜季の提案に四人は頷く。それが一番無難な質問の方法だろう。
「それで、挙動不審な点が見つけられたら、更に突っ込んで質問してみる」
「質問は誰がするんだい?」
総司の問いに亜季は答える。
「最初の質問は淳司、あんたがして。何か感じたらあとの質問は私がやる」
「どうして俺が?」
淳司はただ純粋に疑問に思ってそう言ったのだろう。
「どうしてって?そりゃ、あんたがこの五人の中で一番日付を間違えそうな位間が抜けているから」
「……なんだよ、そりゃ」
しかし、他の三人は納得したように頷いている。
「……どうしてそこで頷く?」
じろりと三人を見渡す淳司だが、残り三人はそっぽを向いている。