ブレイク
廊下に出た五人は神妙な面持ちで口を開いた。
「黒さんはやっぱ違うか」
「うん。史記先輩、私が部室を出る時に、昨日言ってた事と全く同じ事言ってた」
「今のところはこの五人だけか、『二月十三日』を前もって体験しているのは」
「そういうことネ」
「…………」
亜季だけは先程から何事かを考えているようだ。
「これからどうする?」
淳司が呟くと、
「とりあえず、今日は家に帰りましょう」
亜季は答える。
四人の視線が彼女に注がれる。
「明日になればこの馬鹿げた現象も収まっているかもしれないし、今すぐ何か行動を起こさないと命が危ないという訳でもないし……神様が休日をくれたとでも思ってね」
諭すように言うと彼女は靴履きまで一人ですたすたと歩いていく。雨が降っているので傘ももちろん持っている。
「そうだね……考えても今はどうしようもないし」
「……休日かぁ」
「それもいいネ」
翔子、総司、ジャックも亜季に続いて靴箱から靴を取り出す。
(……俺が考えてもどうしようもないか)
淳司もその通りだと思い、靴箱から靴を取り出しそれを履く。
傘を差し、雨が滴る外に出る。
校門の所まで歩いていくと、方向の違う総司、ジャック、翔子とはそこで別れる。
そして、降りしきる雨の中ふと彼は思い出した。