図書室
「そういやぁ、昔は俺とお前で雨の中よく遊んだな」
亜季はキョトンした顔付きで、
「……そう言われてみればそうね。あの頃は何を考えていたのやら」
そう、わざわざ雨の日に外に出て、公園で泥だらけになって遊んだのだ。はっきりいって今の自分では出来ないことだ。
「じゃ、俺達も行くか」
淳司が亜季に言うと、
「そうね。じゃ、行きましょう」
亜季は何を思ったのか来た道、つまり学校内に戻っていく。
「お、おい!どこ行くんだよ!」
慌てた淳司の問いに亜季は、
「図書室よ」
小さく、しかし凛とした声で答えた。
図書室に行くと彼女はどっさりと山のような大量の書物を自分の席に持ってくる。
雨が降っているせいか、今日は他に誰も図書室にはいない。
「何する気なんだよ?」
字というものが総じて嫌いな淳司の口調からは、図書室に来ること事体に、明らかに気乗りしていないのがすぐにわかる。
「勿論、この現象について調べるのよ」
亜季は淡々と答える。
「……って、お前、さっき言った事と行動が矛盾していないか?」
「矛盾して当然よ」
亜季は一拍置き、
「さっきのは本心を言った訳じゃないんだから」
当然のように言う。