アタック5
「天井に何かあるのか?」
そんな我ながら間抜けだと思える事を口走りながら淳司は天井を見上げる。白い天井に張り付いている汚れは、自分達の不安のように思えてならない。
「馬鹿。でも、いいヒントもらったわ」
「?」
淳司が疑問を顔に貼り付けていると、
「なに?あんた、私にヒントを与える為に言ったんじゃないの?」
あからさまに不審な顔付きで問う。
彼女が何を自分の言葉から汲み取ったのかはわからないが、自分の真意に気付かれるのは困る。
「なんかヒントでもあったのか?」
淳司は自分でも中々の演技だと思える態度で亜季に尋ね返す。
「……あんたでも役に立つこともあるのね」
はあー、と溜息をつきながら亜季は呟く。
真意がばれなかったのはいいのだが、かなり貶されているように聞こえる。しかし、下手な事を言って事態が不利に働かせるのも何なので沈黙を淳司は選んだ。
「それじゃ、私が指定したもの、片っ端から本棚から持ってきて」
亜季はそう言って、乱雑にメモに文字を書きとめていく。それを受け取った淳司は素っ頓狂な声で叫んだ。
「なんだこりゃあ!黒魔術、白魔術、妖怪、幽霊、UFO……なんのつもりだよ!」