ヌデレバ

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トワゾ

トロゾ

「……正直、僕はおかしくなったのかと思ったよ」

頭を軽く振りながら総司は呟く。

何しろ周りは皆、今日は二月十三日だと言うのだから。それも無理はない。

「……私も安心した。何か、一人取り残されちゃったみたいで」

ほっとすると思考が回転をはじめる。

「……僕達のようにすでに二月十三日を体験している人って、他にいるのかな?」

自分がそうで、翔子も十三日を体験しているなら、他にそういう人がいてもいいはずだ。でもどうやって捜せばいいのかが総司にはわからない。

「とりあえず、教室に行こう。遅刻しちゃうと先生うるさいし」

翔子も安心したのか、口調は先程よりは幾分か明るいものだ。

確かに十三日を経験している人を捜すのは難しいだろうけど、今はまず目の前の片付けるべきことをこなそう。

(なにしろ、十三日の数学の小テストは、やたらめったら難しいからな)

ちょっと先の事を考える位には、総司は余裕を取り戻していた。

授業の終わりのベルがなると、ロバート・ジャクソンは昼食を持って駆け足で文学部の部室に向かう。

彼の表情は、日本伝統の謎の一つである妖怪と、アメリカ産の謎の一つであるUFOに同時遭遇したかのような摩訶不思議、といった感じになっている。

今日はなにかがおかしい。二月十四日、つまり、翔子が総司に勇気を出して、チョコあげる日のはずなのだ。

でも今日は、二月十三日。

(おかしいネ!しかも、周りの皆、その事に疑問持ってないネ!)